ご機嫌で口笛を吹きながら家に帰る帰り道。

 携帯にメールが来て、おっ千紗からか?なんて覗いてみる。

「んっだよ。」

 浮かれた顔は一瞬で歪んだ顔になり、乱暴に携帯をポケットにしまう。

 せっかく人が気分良く帰ってんのによ。

 メールは玖美(くみ)からで、久しぶりに会えない〜?という内容だった。

「ハハッ。俺も予定あるって言えるや。」

 反対のポケットに手を突っ込むと、千紗のぬくもりがまだ残ってる気がして、別れたのはついさっきなのにまた会いたくなった。

「土曜まで待てんのかな。俺……。」

 つぶやいた声は夜の闇に消えてしまって余計に寂しさを募らせるだけだった。