「裕はなんの仕事してる……の?」

 かろうじて敬語を回避すると、クククッって笑われた。

 だって…。
 あまりの格差を感じて…。

 なんていうか心の余裕の格差というか…。
 その余裕っぷりが憎たらしいんだけどさ。

「だから、どこの誰でどんな奴だか分からない方が甘えやすいって。
 年上で甘えられなくて年下の方がいいってなったらどーすんの?」

「………え?
 そこ変更可能!?」

 そうだった。忘れてた。
 25歳って思い込んでたけど、それって私が設定した年齢だった。

「そりゃもちろん。
 なんなりとお申し付け下さい。」

 かしこまってお辞儀した裕に笑えてしまう。

「もう25歳以外に見えないよー。
 でもそっか。
 年下ってどんな感じか体験してみたいかも。」

「彼氏はいくつなの?」

「23歳。私が21歳だから年上だよ。」

「なんだよ。
 甘えられない彼氏と同じ年上にしても意味ないんじゃね?
 年下にしてみる?」

 う…。そんな簡単に裕は年下なんて思えないよ。

 チラッと様子を伺うと、いたずらっぽい笑みを浮かべた。

 ……なんだか嫌な予感がする。

「ねぇ。千紗ちゃん。
 俺、疲れちゃったマッサージして?」

 間髪を入れずに膝に頭を乗せられた。

 頭…頭…。どうしよう!