「ほれ。レバニラに、サラダとみそ汁。」

 手伝おうとしたら怒られて待っていれば美味しそうなご飯。
 でもレバー…。

 それに、一瞬だけだけど裕が別人のようだった。
 男の人を部屋に入れるっていうのはって…やっぱり考えなしだったのかな。

 裕を見てみても、さっきと同一人物か分からないくらい気にしていないみたいに見える。
 またからかわれただけだったのかな…。

「お残しは許しまへんでー。」

「フフッ。何それ。」

「やっと笑った。」

 頭をグリグリされて、少し安心してしまう。

「食べてみろよ。レバー。」

 う…。意を決して口に運ぶ。
 丸呑み覚悟だったのに「ちゃんと噛めよ」って行動読まれてるし!

 うぅ……う…あれ?

「おいしい……。」

「よっしゃー!
 やっぱりな。
 レバー嫌いな奴ってパサパサが嫌いなんだろ?
 これなら……。」

「可愛い……。」

 ガッツポーズをして嬉しそうにはしゃぐ裕に思わず口を出た言葉。
 その言葉に裕の動きがピタリと止まった。
 と、思ったら見る見るうちに顔が赤くなる。

 えぇ!?
 すっごく可愛い!!
 意外過ぎる。

「男に可愛いとか言うか?普通。」

 裕は不機嫌そうな声を出し、腕で顔を隠してしまった。