涙色に染まる恋

相変わらず涙を流している翔の頭を私は優しく撫でた。

すると、翔の顔は少し穏やかな表情になった。

『良かった…』


…今まで翔に助けられてきた分、今度は私が支える。

このままじゃダメ。

もっと、私は強くならないと。


翔の頭を撫でながら私はそんな事を考えていた。

私は私の左腕の傷にはとうに気づいていた。

きっと私が記憶を失ったのは自殺未遂のせいなんだろう。

私自身に何があったのかは分からない。

高校に通っている中で何かあったのかもしれない。

『…あ』

あまりハッキリとは覚えていないが、

目が覚める前に見た夢のことを思い出した。

確か…

「記憶の鍵は翔がもっている」

そんなことを言われた気がする。

あれは、どういう事なんだろう…

でも、取り敢えず記憶を取り戻さないと。

『よし…決めた』

高校は変えずに同じ所に通おう。

そうすれば何か分かるかもしれない。