涙色に染まる恋

次に目を覚ますと辺りは明るくなっていた。

『…?』

右手を握られている感触に気付いて目を向けると

『翔…?』

そこには私の手を握りながら眠っている翔の姿があった。

よく見てみると翔は泣いていた。

「ん…美麗…」

寝言で私の名前を呟く翔。

『…』

翔の事を苦しめているのは私。

私だけが記憶喪失という形で現実から逃げている。

『ごめんなさい…翔…』

気付けば私の目からも涙が零れていた。

『…っ』

私が泣いててはいけない。

余計に迷惑をかけてしまう。


-全ての元凶である私が、

涙を流す権利なんてない。


私は唇をぐっと噛み締めて零れる涙をどうにか止めた。