『…んっ』

起きると当たりは真っ暗だった。

あぁ、そうか。

私はあのまま寝てしまったのか。

……?

ベッドの側の机の上に何か置いてある…?

『何だろ』

気になって近づいてみると、そこに置いてあったのは

スターチスの花とチョコレートだった。

『ん…?カード…?』

よく見るとその上にはカードが置かれていて、


-美麗へ

早く退院しろよ。

翔より


とだけ書かれていた。

『ふふっ』

思わず笑ってしまった。

…だって、翔が私の好きな物を覚えていてくれてたとは思わなかったから。

『……っ』

翔の優しさに涙が零れそうになる。


どうして…あなたは私にこんなにも優しくしてくれるの。

私は、沢山迷惑をかけてきているのに。


『うぅ…』

いつの間にか私の目からはとめどなく涙が溢れていて。


-あぁ、そう言えば私、翔の事だけは全部忘れていないなぁ…


そんな事を考えながら私は眠りに落ちた。