そして今日、アイツの玄関の前で突っ立っている俺。

傍から見たら不審者だろう。

意を決してインターホンを鳴らす。

、、だが、反応がない。

もう一度鳴らそうか。

迷った結果俺は玄関を開けようとドアノブに手を伸ばした。


－ガチャ


普通に開いた。

おいおい、鍵閉めろよ。

そう思いながら家の中を見た。

…？なんか家の雰囲気おかしくねぇか？

そう思った俺は家の中に入った。

この時入ったのはほぼ感だった。

お風呂場からシャワーの音が聞こえてきていた為お風呂らしき所へ入る。

そこには目を疑うような光景があった。

アイツが、美麗が手首を切って意識を失う直前だった。

『おいっ！大丈夫か！？』

急いで駆け寄ったが既に意識はなく、切った手首から血が大量に出ていた。

『取り敢えず止血しないと！』

俺は持っていたハンカチを取り出し、傷を押さえた。

慌てている為、思うように頭が働かない。

『そうだ！救急車！』

急いでポケットから携帯を取り出し、119へ掛ける。

『もしもし！急いでください！』

言葉が出て来ず、口がまわらない。

『チッ』

思わず舌打ちが出てしまい、相手が驚いてしまった。

『とにかく急いでください！血が沢山出て意識がありません』

容態を伝えないと。

少し落ち着いた頭でそう考え声に出した。

｢分かりました｣

そう答えた相手にホッと息をつきまたしっかりと傷口をハンカチで押さえる。

早く、間に合ってくれ。