そんなこんなで放課後

「美麗!行こー?」

『ちょっと待って!すぐ行く!』

希音以外がいる時は作り笑顔で話に乗っていた私。

それなりに友達もできた。

それで今、帰る準備をしながらおしゃべりしてたんだけど、、

希音さん早すぎやしないですか?

『じゃあ、また明日!』

「「うん、また明日ね〜」」

急いで準備をして希音の元へ向かう。

「美麗遅いよー!」

『これでも急いだよ?』

うん。あなたが早いのですよ、希音さん。

そう心の中でグチグチ言っていると、希音はもう先に行ってしまっていた。

「遅いってー!早く!」

すごい急かしてくる希音。

急いで靴を履き替え、希音がいるところへ向かった。

走ってアイス屋に向かう希音を必死で追いかけてついた時にはもうヘトヘト。

でも希音の喜んでいる姿を見て来てよかったと思った。

『そんなに食べたかったの?』

「うん!」

そう答えた希音は子供みたいで少し笑ってしまった。

それを見た希音は不思議そうな顔をして首を傾けたが、すぐにアイスを食べにかかった。


「はぁ〜、美味しかった!
ありがとね、美麗」

お礼を言うのはこっちのほうなのになぁ。

『いえいえ。当たり前ですから。
こちらこそありがとっ!』

先を越されたから今日1番の笑顔をつけて言ってやった。


『そろそろ帰ろう』

そう言ってわたしは立ち上がった。

しかし、希音は立ち上がろうとしない。

『どうしたの?早く行こ?』

「昨日、本当に何も無かった?」

そう言われ、私はドキリとした。

朝から元気がなかったのはやはりまずかっただろうか。

でも、昨日のことは言えない。

だから私ははぐらかす事にした。

『何も無かったよ!寝不足だっただけ!』

いつもだったらこれで終わり。

でも今日は違った。

「嘘つかないでよ。何年一緒にいると思ってるの?
それともうちが頼りないから、信用出来ないから話したくないの?」

この言葉を聞き、自己嫌悪に陥った私。

肝心な時に限って閉ざされる私の口。

自分の心の奥底を打ち明けたいのに。

離れていってしまうんじゃないかという不安が襲い、口を開くことが出来ない。

「もういいよ。うちだけがずっと親友だと思ってたんだね。
今まで一緒にいて迷惑だった?
そうだよね。うちがいなかったら他の子とうまくいってたもんね」


“もう話しかけたりしないから安心してね”

そう言って去って行った希音を私は引き止めることが出来なかった。