思わずカッターを取った。

やっぱりいろんなところに置いておくと便利だなぁ。

“置いておいて良かった”そう思った。


感情に任せて思いっ切り切る。

それは深く深く。血が沢山出るまで。

『綺麗』

皮肉なモノだね。

どんな人から出ても血は“綺麗”なんだから。

『まだ、足りない。もっと深く、沢山切らなきゃ』

私はまた切ろうとした。


-ピーンポーン

『チッ』

イラついていてもしょうがないので急いでお風呂から出て着替えた。


笑顔のチェックしなきゃ。

そう思って鏡の前に立ち、一瞬で笑顔を作った。

…よし、完璧。


“腕も隠さないと”
そう思い、目に入ったリストバンドをつけて上着を羽織り玄関へ向かった。






その時つけたリストバンドは“白色”だった。