そうこうしながら歩き続け、家に着いた。

『「私(俺)の家ここだよ」』

被った声に思わず笑いあった。

久し振りに思いっきり笑えたような気がする。


希音の前でも少し気を使ってたから。

傷つけないように。

少しでも笑っていようと。



-やっぱり翔は特別だと改めて思った。

『それじゃあ、また明日ね』

「あぁ、またな」

まさかの部屋も隣だった。

いやいや、それすら気づかないとか。

どれだけ鈍感なんだ、私。

誰か引っ越してきたんだなとは思ってたけど。

それくらいにしか考えていなかった。