涙色に染まる恋

少し歩いたところでため息が漏れた。

1人になると同時に襲ってくる罪悪感。

まぁそれは自分の所為だと自嘲気味に笑った。



-ジャリ

気を抜いていた私。

後ろからした音に驚いて振り返る。



そこにはさらに驚かされる人物、翔が居た。


あぁ、目が合ってしまった。

「よぉ、美麗」

『えっ』

何で、さっきは目を逸らされたのに。

“何で”という言葉が頭の中を巡って肝心の言葉が出てこない。


その様子を見て彼は困ったように笑った。

「さっきはごめん。目、逸らして。驚いてどうしたらいいかわからなくなった。」

あぁ、そうだったのか。

でも彼は優しいから、そう言ってくれているだけかもしれない。

元々そんなに好かれていたかどうかもわからないから。



-でも、そう言ってくれたと希音に伝えるだけでも安心させてあげることが出来るだろうか。

そう考え、言葉を発した。

『ううん。久しぶりだね、翔。こっちに戻ってきたんだね』


「あぁ、1週間くらい前だけどな。ここら辺あんま変わんねぇな」

このへんのことを覚えていることだけでも嬉しいと思う私はやはり単純なのだろうか。

あぁ、でも当たり前か。覚えていることくらい。


『うん。そうだよね。てか、覚えてたんだね』

茶化すようにそう言った。


…自嘲気味の笑みを隠すためだが。

「それくらい覚えてるよ、バーカ」

、、ムカつく
鼻で笑いやがった。

『バカは余計だアホ』

「あれ?そーいやお前の家ってこっちの方じゃなかっただろ?」

コイツ、、

無視しやがった。

でも、まぁ続けててもしょうがないからいいか。

『あー、高校入学と同時に1人暮らし始めたんだよね』

不自然な笑顔ではないだろうか。

あの家にいることに耐えられなかった私。

かと言って愛されていたかったとは思わないが。

ただ単に私が弱かっただけのこと。

孤独感に耐えられなかった私の弱さ。


“誰の1番にもなる事が出来ない”そう感じた。

「そうか。俺も1人暮らしだからお互い頑張ろうな」

そう言って彼は私の頭を撫でた。

『やめてよね。前まではこんな事しなかったのに』

顔をふいっと背けた。

頬をふくらませたりして拗ねないところ可愛げがないんだろうな。