一週間後
私はあれから、家のキッチンに立ってはペスカトーレの研究に時間を費やしていた
その結果
自分でもなかなか満足のいくペスカトーレが作れるようになった
家で作るのはこれくらいのクオリティが限度ってとこまでいったかなぁ.....!!
そう誇らしげに頷いた後で、私は膝から崩れ落ちた
「うわぁぁ、自分がこんなに槇木さんのこと好きなんて泣いた」
相当恋している自分に嫌になる
今まで経験したことのないような苦しい気持ち
この恋心が、同級生へのものだったらどんなに良かっただろう
きっと叶わないんだろうな
それでも.....
_____ピンポーン
その時インターホンの音がして、私は別人のように真顔ですっくと立ち上がる
「はーい?」
玄関まで行きガチャリとドアを開けると、そこにはスーツ姿の槇木さんの姿があった
「こんばんは」
「.....こ、こんばんは」
仕事終わりだろうか、革の鞄を片手に立つ槇木さんを見て思わず言葉が出ない
今まで一人で葛藤していたことが本人を目の前にしてめちゃくちゃ恥ずかしくなり、私は「あの、どうしましたか?」と小さい声で尋ねた