わけもなく水のグラスを手に取り、グイッと飲み干す
ぱちぱちと瞬きをしながらこの感情を再確認して、私は心の中で深い深いため息をついた
_____こんなステキな人なんだから、女の子だったらみんな好きになって当然なんだ
____私も例外ではなくて、こういうのを簡単な女って言うんだろうか
今日から私は、叶うわけもない恋心を眞木さんに抱いたたくさんの女の子の中の1人
「大丈夫?」
気づかぬうちに放心していた私に、眞木さんは心配そうに声を掛けてくれる
「だっ、大丈夫です!そろそろ帰りましょうか?」
「ああ、そうだね」
眞木さんは手をあげ、店員に「チェックで」と告げる
スマートに支払いを済ませる姿をぼうっと見ながら、やっぱり住む世界が違うんだと
目を覚まさなくちゃとこの気持ちを戒めた