「どうしたんだよ、櫻」 「なんだ、李人か」 そう声をかけてきたのは小さい頃からの腐れ縁の李人(りひと)だ。 「なんだとはなんだよ」 李人は拗ねたように口を尖らせて俺の前の席の椅子にまたがって、背もたれに顎を乗せた。 「あ、これお前に渡しといてって可愛い子から」 そう言って李人はポケットから何かを取り出した。 何? 「ラブレターだとよ」 ラブレター? 誰からだよ、ってか自分で渡せよ。 「……いらね」