12月に入って本格的な冬に入った。 風が吹く度に体は冷たくなって、寒がりな恋文にとっては地獄のような季節だろう。 「櫻ちゃん………寒い」 手をこすり合わせながらそう呟く恋文の手を取ってぎゅっと繋いだ。 「ふふ、あったかーい」 繋いだ手を握り返しながら嬉しそうに笑う恋文。 でも……… 「恋文……?」 最近、不意にすごく悲しそうな顔をする。