昔のことを思い出して、微笑ましくなった。 あの頃は、自分の気持ちに気づかなくて 恋文の泣き顔を見て好きって気付いたんだよなぁ。 スニーカーを履いて家を出る。 「いってきます」 相変わらず返事なんてないけど 早く、恋文に会いたいから昔ほど寂しくはない。 恋文に…会いたい。 「好きだ…………」 俺の呟きは乾いた風に乗って 蒼い空に消えていった。