「俺ね、勉強…頑張ってるんだ」 『うん、知ってるよ』 「医者って、大変だな」 櫻ちゃんはそう言いながら花を変える。 「ピンクの花、買ってみた」 『何ていう、花だろ?』 「花の名前は知らねぇけどな」 櫻ちゃんはくすくす笑いながら石段を撫でる。 そして静かに手を合わせて目を閉じた。 「恋文………好きだ」 そう言って微笑む櫻ちゃんが好き。 『私も、好きだよ』