恋文がいなくなって、季節が変わった。



桜が舞っていて、俺は先輩になった。




「星川くん……」

岸本は恋文のことだと、わかるのだろう。



「恋文が、ゆーちゃんにって」



「恋文に…会ったの?」


あの日、恋文に会いに行ってから

数日後。


俺は岸本に、恋文のことを伝えに行った。





『恋文………もう、この世にはいない』


死んだ



とは言いたくなかった。





岸本も、俺と同じように

最初は信じようとしなくて。




泣き崩れるだけだった。



俺と李人と岸本の友達で支え続けて

何とか、落ち着いてきた今。



「これ、今なら読めるか……?」