【櫻side】 「櫻くん……」 恋文の部屋のドアが開いて ゆずさんが優しい顔をして入ってくる。 「櫻くん……そのもう1通の手紙を、ゆーちゃん…恋文の親友に届けてほしいの」 お願いできる? ゆずさんは俺にそう言った。 「はい、恋文の願いなら…」 「そう…ありがとう」 優しく笑って俺の頭を撫でるゆずさんには 母親、の温かさを教えてもらえる。 俺には、無縁だったから。