「風邪ひくなよ」 体を離して櫻ちゃんは私の頭を撫でる。 「うんっ、櫻ちゃんも」 「うん」 櫻ちゃんに背中を向けて家に入っていく。 やっぱり寂しくて涙を堪えた。 でも、突然腕を引かれて強引にキスをされた。 深くて、甘くて… 悲しい悲しい、涙の味。 ちゃんと、言うんだ。 『またね』 なんて、もう来ない。 「櫻ちゃん……ばいばい」