初めてだった。


こんなに、自分が教師であることを恨んだのは。


せめて、彼女の近所に住むお兄ちゃんくらいのポジションが良かったなんて。


無理に決まってるのに。



『好き』



彼女のその言葉が、何を意味するのか、どれくらいのものなのかわからない。



だけど。


俺の中で彼女は、完全に


異性としての好きで。



きっと俺だけの本気の片想いだなんて、思っていたのに。



『スキ』


彼女は黒板にそんな言葉を書いていて。



そんなことをこのタイミングで書いたら、俺が勘違いして思い上がるに決まってるのに。


知ってか知らずか、彼女は嬉しそうにその文字を見つめていたんだ。