「菜の花ちゃんに比べて桜ちゃんはなんであんなにうざいの?見てるだけで腹が立つんだけど。」

「弱々しくてキモい!それに比べて菜の花ちゃんは…」
 
ふっ良い気味。
私は自分が傷つかなければそれで良い。
皆私の事を大切にしてくれているし。
なんであんな奴の双子なんだか…。

私は弱々しくておどおどしている桜が嫌いだった。
勇気と優しさと思いやりとか…
気持ち悪かった。

だから私も一緒にいじめていたんだ。

そんなある日。
私は友達のユリからある噂を聞いた。

「ねーねー!菜の花聞いてよ!」

「んー?なにー?」

「学校に王子様と呼ばれるイケメンがいるのよ…!」

イケメンねぇ…。
今の彼氏も飽きたところだし…
乗りかえるか…。

初めはそんな軽い気持ちだった。

でも、彼を初めて見たとき

心を撃ち抜かれたようだった。
一目惚れだった。

私は王子様と呼ばれる彼に近づいた。

「あのー?王子様とか言われてるよねー?」
 
「君は誰?」

私の事を知らない人がいたんだ。
私は甘い声でいった。

「滝川菜の花よ。貴方に一目惚れしちゃったの。」

すると彼は驚くことを口にした。

「えっ…もしかして桜ちゃんの妹?」

は?なんで桜が出てくんの?
私は疑問で仕方がなかった。

「なんでさく…」

「おーい!ちょっとこいつ借りる!」

「えっ!ちょっと…」

彼は友達とどこかへ行ってしまった。

まぁ、いいや。簡単に落ちるでしょ。