─涼太side─
俺は朝、登校するだけでも嫌だった。
あのうるさい声が毎日頭に響く。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!王子様~!」
「いつも通り素敵ですっ!」
「い、今一瞬目があった!きゃぁ!」
何てめんどくさいんだろう。
目があっただけでこれだ。
俺は女子達から逃げるためにある場所へと向かった。
誰もいない静かな場所…。
それはある庭。ほとんどの生徒が知らないと言われている。
綺麗な花が咲いている。
そして日が当たってポカポカしている。
そんな庭が俺の居場所だった。
女子達に見つかりそうになりながらもなんとか庭へたどり着くことができた。
「ふぅ…疲れたな。」
「く、くしゅんっっ…」
ん?誰もいないはずなのに何でくしゃみ…
嫌な予感しかしなかった。
後ろを振り返ると