「なんだ。親父さんと話してたんじゃないのか」
「もう話は終わったの。崇さんは寒いのに外なんか出てどうしたの?」
コートを着ていないので、ぶるっと冷える。
「あー。ちょっとコレ吸わせてもらおうと思って」
崇さんは私にタバコを見せる。
「まあ、茜が来たからやめておくか」
そう言って、タバコをパンツのポケットにしまった。
「え、吸っていいのに」
「いーの、いーの」
崇さんの気づかいに申し訳なくなりながらも、私は庭を見た。
「雪……さすがに融けちゃったね」
起きてから一度も降ってないはずだ。庭の端にわずかに雪が残る程度となっている。


