お父さんらしき人影が公園の隅にあるベンチに座っていた。


ぼーっと空を眺めているように見える。


スピードを上げて公園の入り口まで走ると、一旦立ち止まり、息を整えた。


「崇さん、私、行ってきます。崇さんはここで待っててくれますか」


「ああ、二人でしっかり話してこい」


崇さんは力強くうなずく。


私は彼にお礼を言った。


そして、お父さんを見る。


公園には明かりがなく暗いけど、ここまで来ると、お父さんで間違いないことは確認できた。


探したいと思ってここまで来た。


でも、何を伝えたいのか明確な形にはなっていない。


それでも、私は公園に足を踏み入れた。