「卵焼きはなしで、代わりに錦糸卵を焼いてもらう」


錦糸卵って、薄焼き卵を細く切った、これよね?


ちらし寿司の写真をじっと見る。


失敗せずに焼く自信はない。


「裏技みたいなのあるから大丈夫。あと、味噌汁と小鉢1品くらいか」


崇さんは、うんうん頷くと、ちらし寿司の素を私の手から棚に戻し、その隣にあった乾物を取った。


それには、『ちらし寿司の具』と書いている。


「味のついたやつも美味しいんだけど、せっかく教えるんだから、具は自分で炊く方な」


崇さんから受け取ったパッケージを裏返す。


原材料を見ると、こうや豆腐、人参、しいたけの干したものがミックスされているようだ。


切ったりする必要がないので、これもお手軽に作れる方なのかもしれない。