手を伸ばすけど、崇さんは私には届かない向こうにやる。
「いいから、いいから。気にすんなって」
「本当にいりませんから! ただ……ただ、私みたいだなって思っただけです!」
「は? 茜みたい?」
崇さんは「意味がわからない」というようにきょとんとしていた。
言ってから、こんな風に思うのは私だけかもしれない、と恥ずかしくなって、モゴモゴと小声で言った。
「だって、ツリーの星って上に一つあるだけですよね。他のオーナメントは同じのが何個もあったりするのに、まるで星だけ仲間外れにされてるみたいじゃないですか」
崇さんは一拍おいたあと、ブッと笑いだす。
これって笑われるようなことだっただろうか。
思わず唇を尖らせてしまう。


