「せっかくだし、雑貨なんかも見てから帰るか」 「はーい」 飲食スペースを離れて、雑貨スペースを見て回る。 ツリーの置物に、サンタや雪だるまのオーナメントなど、どれも可愛いものが並んでいる。 可愛いのに、それらを見ていても心は踊らず、通りすぎてしまう。 クリスマスなんて私には無縁だ。 「なあ、茜」 「はい?」 崇さんの呼びかけに、私は顔を横に上げた。 「なんでクリスマスが嫌いなんだ?」 「それは……」 私は口を結んだ。