「なんで、崇さんがここに……?」 「偶然……というと嘘になるけど、通りかかってよかった。救急車を呼ぶから。落ち着いて」 「救急車。は、はい。お願いします」 反射的にそう返したけど、頭は混乱したままだった。 私は、携帯で119にかける崇さんと、倒れているお父さんを見ていることしかできなかった。 そうこうするうちにサイレンの音が近づく。 やってきた救急車に付き添いとして乗り込み病院へ向かった。