「この前、崇さんが作ったものですよね」
「おう。いつも同じもの食べることになって申し訳ないんだが」
「いえ、気にしないでください。私も毎回違うもの作っても、一人で作れる気がしませんし」
一昨日、味噌汁は崇さんに教わりながら作ったわけだけど、
一人で味噌汁を作れるようになったかというと、激しく不安だ。
たぶん、きっと、いや絶対に無理だと思う。
「ん。それじゃ、この前と同じで出汁からな」
「はい」
私は崇さんが出してくれていた鍋に出汁パックと水を入れて、火にかけた。
沸騰したところで中火にして、タイマーをセットする。


