邪魔しないように、と真衣に目線で釘をさしてから、崇さんに声をかけた。


「お待たせしました」

「おう」


崇さんは先に調理に取りかかっていたようで、何かを湯がいている。


鍋を覗くと、大根のようだ。


崇さんはその一つに竹串を差すと、火を止め、ザルにあげて水に浸けた。


「で、考えたんだけど」


崇さんは作業が一段落すると、こちらを向いた。


「2週間で色々と教えても身につかないだろうし、味噌汁と卵焼きを毎回作ってもらおうかと思うんだ」