なんだ、これは。


笑いあっているというのに、蛇とマングースがにらみ合っているような、不気味な対立に見えてしまう。


「まあ、じゃあ。お菓子を食べるでも、キッチンを覗くでも、お好きにどうぞ」


「はーい」


崇さんがため息をついて、何かを諦めたように言うと、真衣は片手をあげて了承の声を上げた。


「茜は着替えたらキッチンに」


私を見た崇さんに「わかりました」と頷いた。



服を着替えると、キッチンへ向かった。


真衣はダイニングの食卓からキッチンのカウンターに身を乗り出すようにして、作業している崇さんを眺めている。