「それなら、茜はちゃんと料理を教えてもらいなよ。
私は茜の家に男の人が出入りするって聞いて、どんな人か見に来ただけだし、料理してるところを眺めてるよ」
「ええー、ただでさえ下手なのに、見られてるとやりにくいじゃない」
「まあまあ、気にしない気にしない」
「それで、オレは鈴木さんのお眼鏡にかないましたか」
崇さんは作り笑いかと思うほど、にっこりと笑った。
イケメンの笑顔は眼福……のはずなのに、空気がおかしい。
「んー。それはまだわからないけど、とても気遣いのできる真っ当な人だとは思います」
対する真衣も、笑顔で応酬する。


