でも、そうしたら、こうやって真衣と過ごすことはなかったのよね。


隣で笑う真衣を見ていると、こんな人生も悪くないのかなと思えるので、

私の人生にも幸せがあるとすれば、鈴木家の隣に住んでいることなのかもしれない。


私は家の前で一瞬迷ってから、インターフォンを押して、鍵を開けた。


自分の家のインターフォンを鳴らす必要はないけど、

いきなり開けたら、崇さんが泥棒か何かと間違うかもしれないと思ったのだ。


平日、今井さんは私の帰宅前に帰っているので、誰かが待つ家に帰るという状況が私にとって特殊だ。


どうすることが正しいのか知らない。