妊娠。

あまりピンとこなかった。

どうすれば妊娠するのかはなんとなくわかっていた。

でもそういう行為を僕は、高校二年生の今までしたことがなかった。

それに近い行為はしたことはある。

遙香と。

放課後の女子トイレで僕はキスをして服の中に手を入れブラのホックを外し、それが包んでいたものの先端を口に含んだ。

遙香は深いため息をつきそれを押し殺した。

でもそこまでだった。

そこから先には行ってはいけない気がした。

そこに踏みこむにはもっと何か別の資格が必要だった。

それは本能的に僕に働きかけた。

遙香がどう思っていたのかは知らない。

でもそれ以上進む気持ちにはなれなかった。

まだ早すぎると思ったのかもしれない。

ラブホテルに行く金も適当な場所も無かったからなのかもしれない。

だけど正直な話し、それから先、具体的にどうすればいいのかよくわからなかったんだ。