島田魁が、連れてきた長州藩の大物という人物はまず、歳の前へ連れていかれた。
歳がその人物を見極め、害がないとわかれば、私の元へ、連れてこられ、話を詳しく聞くらしい。

私は、また、蚊帳の外か…

私は独り、初夏の夜空に浮かぶ月を眺めながら、そう嘆いた。