それを不憫に思った義母(ぎぼ)ほ、葉月に休息を与えた。

そして、稽古のない私に声をかけてきたのだ。
「葉月、少し待っていて下さい。支度をする故。」

私と同様、葉月はこの日を待ちわびていた。

街とはどのようなところか私や、総司の話を聞き、想像をしていた。

「勿論、待っていますよ。私も支度をしてきます。」
確かに、葉月は女中の服を着ており、それでは、街へ出たとき浮いてしまう。