その男は当時最強とも言われた薩摩の示現流

を遣う何人もの警備を物ともせず、すべて倒した後に

落ちた首を大切に拾い上げた。

「仲間の首は俺らで護るさ…近藤局長。」


男は首を桶に仕舞うと、それを持ち上げ、足早に立ち去った。

その者が誰であるか誰も分からなかった。

だが、流派を持たぬ無外流を左手で遣っていたらしい。