「センパイ、花見いこう!」


10年前、
その頃私は高校生だった。

遊びまくってて
将来なんてくそくらえ
なんて思ってた。

だけど、
やっぱり高校ぐらいは卒業しときたいなって
ガラにもなく必死にベンキョーして、

なんとか3年に進級できることが確定した日。

ホッとして帰宅した頃にコタローが呼びにきた。

中学時代からの腐れ縁のコタロー。
ワンコみたいに私に懐いてくれていたコ。


部屋の窓から顔を出すと私に気づいたコタロー。

両手をブンブン振って、
「センパイ、桜すげぇよ!チョーきれいだよ~!」
ってニコニコしながら言う。

「コタローは花よりダンゴだろ」
って返すと、

「えへへ。
 うん、そう!
 だってさ、出店すげくね?
 マジチョー食べまくりたいし!」
と笑った。

その笑顔が本当にかわいかった。