この高校に入学してから、いつの間にかあたし達は、いつも四人揃って行動するようになっていた。


 同じクラスメイトの他のグループより、あたしはこっちの方が断然好き。何より気を遣わないでありのままの自分でいられる。楽だった。


 あたしが勝手に名付けた、『あの屋上で二人事件』のことがあってから、麗美と萩原は付き合い始めた。


 あたしは、麗美が萩原を好きだということを薄々気付いていた。萩原が麗美に特別な感情を抱いていることも、勘だけど気付いてた。だから今こうして二人が幸せそうにしているのを見ると、自分のことのように嬉しい。



「…あ、ここだよっ」



 しばらく歩いていると麗美が立ち止まった。


 麗美が指差す方向に視線を巡らせると、『あいすくりーむ』と平仮名のへんてこな文字で書かれている看板が目に入った。看板の横には、ソフトクリームの形をした絵の看板が飾られている。