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しかし、そんな明るい気持ちは一瞬にして消えて行ってしまった。


昼休みが終って午後の授業の開始前に、立石先生がやってきた。


5時間目は立石先生の授業ではなかったが、なにか話があるということだった。


「みんなに1つ報告がある」


教卓に立つ立石先生はとても深刻な面持ちをしていて、生徒の誰とも視線を合わせようとしなかった。


「今朝早くに、森の中で城崎の遺体が発見された」


立石先生の声にあたしの頭は真っ白になった。


拓巳の遺体……?


クラス中、波を打ったような静けさに包まれる。


みんな立石先生の言葉が理解できていないのだ。


「城崎は制服姿のままで、ポケットには遺書が入っていた。自殺なのだそうだ」


淡々と説明する立石先生に、1人の生徒が手をあげて「どういう事ですか?」と、質問をした。


あたしも同じ気持ちだった。


立石先生の言っていることの意味が理解できない。