――愁二――

「ねぇ。」

「ん…?」

弘史が俺を向いて言う。

「夢璃、なんか隠してる。」


昨日のため息といい、今朝の事といい…
気になって仕方ない。

「夢璃先輩にも色々あるんだよ。」

弘史が言った。


ダメなんだよ。

「ダメっ!
何でも、全部言ってほしいわけっ!」

「隠し事1つは、あるもんじゃない?」

「ないっ!ないないないないっ!
夢璃に隠し事なんて1つもしてないっ!」

「いや、お前…。塚さー!」

弘史が別の話を始める。


「もう、聞けっつぅのっ!」

俺は言った。

「ほら、あれじゃない?
浮気的な、男関係とかね。」

弘史が適当に言う。


「は……?」

「……っていうのは嘘で!!」

弘史がやってしまったという顔で言った。