「はぁ…。腹減った。」
「俺も。」
祐璃とお兄ちゃんが言う。
二階から下りてきたみたいだ。
「どこまで時間かかるんだよ。
いつものろのろしてるけどさ…。」
祐璃がそう言って、台所を見た。
「………。」
見た途端、黙った。
思えば、一時間過ぎていた。
けど、台所には人参を途中まで切っただけ。
「…おいっ!
なんで、人参いれるんだよっ!!」
祐璃が言った。
……そっち、なんだよね。
祐璃が気にするのは、いつも違う方。
「って、お前そっちかよっ!」
お兄ちゃんがツッコミをいれる。
「あれ?
兄ちゃん、
俺が人参嫌いなの知らなかった?」
おいおいおい。
「夢璃に似て、お前も天然になったか。」
お兄ちゃんが言った。

