――夢璃――

「大丈夫じゃな、い…ね。」

愁君が言った。


いや…、大丈夫です。

かなり手が震えてますが…、
大丈夫です。


祐璃にあんな事言ってたくせに
料理がダメな自分。

「俺がするよ…?」

愁君が言った。

ダメダメ。

彼氏にさせるなんて、格好悪い。

彼女として、失…かく…、だ。


「い……、たい。」

「夢、璃……?」

愁君が私の手を掴む。


なんか、赤い…赤い…。

「血……。」

指の皮が切れていた。

「はいっ!もう、俺がするっ!」

愁君が言った。


いつの間にか、ばんそうこうが指にはってあった。

「痛い…、愁君…痛い…。」

かなり痛い事に気づいた、私。

「……………。」

愁君には、どうもできないよね。


ガバッ

かわりに抱きしめてくれた………。←