「なんで、智希の言葉で
泣かなきゃいけないのよ。」
私は言った。
「え…?」
智希が驚く。
「なんでか、分かんない。」
「………遥香?」
夢璃が言った。
「……智希から言われると、
ちょっとした事でも傷つくのっ…。」
何故か涙が出てる私。
「はぁ…。」
智希がため息をついた。
何?
呆れるわけ?
「ちょっと、来いよ。」
そう言って、私の手を引っ張った。
「……。」
「面倒くさい奴だよな。」
教室を出て、智希が歩きながら言った。
…は?
「喜怒哀楽激しいし、気は強いし。
素直じゃないし。」
智希が言った。
知ってる。
そんなの分かってるよ。
「たまに素直になって
いきなり泣き出すしさー…。」
「…ごめんね。」
だって、悔しいんだよ。
どうせ、今も。
夢璃しか見えてないんでしょ?
悔しいの。
気づいてよ。

