――夢璃――

なんか緊張してしまう。

「…すーはぁー。」

「おい…。」

深呼吸をしていたら、頭を叩かれた。


「ななな…、何ですか?」

そう言って、振り向いた。

「何、深呼吸してんだよ。」

戒斗が笑って言った。

「だって、緊張するんだもんっ!」

「こんなの緊張しないだろ。」

「だってさ、
みんなの前で卒業証書貰うんだよっ!

何人来てんだろ…。」


想像しただけで、恐ろしくなってくる。


「んなの、みんな
カボチャとか思っとけばいんだよ。」

「いやいや…。」

そんなの失礼すぎるっ…!!

首をブンブン横に振る。


「前見ろ。」

戒斗が言った。

「……あ、行かなきゃっ!」

いつの間にか、
前の人がいなくなっていた。