知らなかった。

信じられなかった。





分かってなかった。

こんなに、美佳が
俺を好きでいてくれてることを。


愁二さんが
昨日、言ってた事を思い出した。


――祐璃の事を知るためだってー。
祐璃、自分の事
全然教えてくれないらしいね。


――だって、
アイツ自分の事ばっかり話すし。



なんで、兄ちゃんの家に行ってまで
俺の事を聞きに行くか。


少し考えれば分かるのに。