――祐璃――

――ガチャ

ドアが開く音がした。

お母さん、帰ってきたのかな?

少し、階段を下りて覗いてみた。


「……呼んでるし。」

愁二かよ。

やっぱり、彼氏ですか。

耳を澄まして聞いてみた。

「…………。」


――冷たい…。

夢璃の声では、それしか聞こえなかった。

――祐璃、どこ居んの?

…ヤバい。

――ふーん…。

え…。来んのか…!?

――行かないでいい。

夢璃が言う。

――分かった…。

なんだ…。

良かった。

…と、油断して部屋に戻った俺。


「……ねぇ。」

……空耳ですか…?

「…なに、夢璃泣かしてんの?」

……さっき、分かったって…。

「…愁二さん?」

俺は、言った。

さっきの会話は、何なんだよっ…!