――祐璃――

「…そんな愁二の家に行きたいのかよ。」

「うん…。」

夢璃が言う。


本当に、コイツは。


いつも、愁二愁二で…。

愁二とばっかり、遊んでて。

姉ちゃんと2人で遊んだ記憶がない。


―――――――――

2人がいつものように遊んでいたから
逆に言いづらくて。

何にも言えず、1人で遊んでた。


『姉ちゃん、遊ぼー?』


俺が、初めてそう言った日。
姉ちゃんは喜んで遊んでくれた。

けど、それを見た愁二が怒って。
ボコボコにされたのを覚えてる。


それからというもの。
愁二を怖がってるし。


こんな性格になってしまった。


「行ってきます…。」

夢璃がそう言って出て行った。


夢璃は、俺の姉ちゃんだろ?