暮れない夜、染まる紅(あか)

「そうだね…。

楽しかったよね、お祭り…。

綿飴とか、りんご飴とか、フランクフルトとか、たこ焼きとか…まあ、いっぱい食べたね…」

私がそう言うと、麗香はふきだしてこう言った。


「食べ物ばっかりだったよね、私達」

「だって、くじ引きとか正直当たらないでしょ、あんなの」

「まあそうだけど…。

でも、総司君はよくくじ引きとか射的とかしてたよね」

「なんでこんなときまでお祭りオタクの話しなきゃなんないの」

「好きなくせに」


からかうように、麗香は言う。


「好きじゃないよ」

「またまた〜」


麗香は肘で私をつついた。